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心は何処へ

東京、ageHa GAY NIGHT the FINAL"GRITTER BALL"

自己否定。劣等感。

自分はここに居てはいけないのだという感覚。

 

18歳の僕は無力で、勇気も自信もない引きこもりだった。

大阪の片田舎で育った根暗な青年が、20年かけてやっと辿り着けた場所。

それが2022年1月22日に開催された、東京ageHaでのゲイナイトでした。

 

 

皆さんはネガティブですか?

不安に思ったり怖くなったり。

それは心を守るための防衛反応で、そのお陰で傷つかずに済んでいます。

 

僕はネガティブ過ぎて自分のしたいことを何も出来ませんでした。

一人で電車に乗ることも、街へ出かけることも。

 

少しずつ、ほんの僅かだけ勇気を出し続け、何年もかけて行動を変えていきました。

そんな僕が初めて新宿2丁目へ行けたのは4年前の33歳。

 

ゲイが集まる場所が大好きなくせに、めちゃくちゃ遅いでしょ?

 

東京・新宿2丁目は日本で最大のゲイコミュニティ。見た目も中身もカッコいい人が本当に沢山いるから、自分が行って落ち込むのが怖かったんですね。

 

それから何度か東京へ出かけたけど、東京のゲイナイトだけはまだ入れなかった。

キラキラした世界。本当に格好良いGOGOさん。その人を目の前で見た時、僕はまた自己否定と劣等感に押し潰されて心が壊れてしまうんじゃないか。

それが本当に怖かった。

 

だけど。

その前に自分が死んでしまったら?

傷つかずに済んだとしても、行きたかった場所へ行けなかった後悔を抱えて人生が終わってしまったら?

 

そんな人生は嫌だ!と心に火がついて、僕は前売りチケットを購入していました。

 

それからは毎日不安が押し寄せてきて、本当に自分が行ってもいいのだろうか?大好きなGOGOさんに会えたとして、悲しくなってしまうんじゃないか?と精神を保つのが本当に大変でした。

 

だけど、ゲイナイトが大好きな人がゲイナイトに行っちゃいけないなんてある??

と思い直して、当日は

 

「自分を卑下せず、だけど謙虚に。素直に初体験の世界に驚いたり感動しよう」

 

と決めて、期待を膨らませていきました。

 

 

 

僕が大好きなGOGOさんは2人居ます。

PAGさんとバンセさんです。

 

どうして大好きなのかは割愛しますが、最大の目的はお二人に絶対チップを渡す!!ということでした。

 

そしてその夢は叶いました。

 

アリーナのステージで一際輝くシルエットが目の端に映り、恐る恐るその方へ近づくと、目の前に何年も憧れていた方が居ました。

(実在したんだ……)が初めての感想でした。

 

ずっとずっと画面の向こう側にキラキラと存在していた、憧れのPAGさん。

画像で見るより動画で見るより想像したより、何倍も何倍も素敵でカッコよくて可愛くて。

 

恐る恐るチップを持って駆け寄ると、「ありがとう〜」と優しくギュッとしてくれて、僕は「わああああああカッコいい〜〜〜!!!!!」と叫ぶのがやっとでした。笑

 

しばらく多幸感に包まれて見ていたのですが、(PAGさん、本当にこんなカッコいい人が実在したんだ……今自分の目の前に居るんだ)と思うとポロポロと涙が溢れてきました。

 

ゲイナイトの壁際ですすり泣く37歳。笑

どないしたんや。笑

 

その後GX3のランウェイで最前列に陣取り、必死でPAGさんを撮影しているとこちらに気づいて手を振ってくれて。

(は???認識されてたんだが???????尊過ぎて死にたいな(?))

とまたも涙が溢れそうになり。

 

 

ショーが終わってしばらく他の会場でも楽しく過ごしていたのですが、まだ達成していない目的があります。

だけどそれを達成する為には最大の難関、イケGMPDが溢れかえる「六尺ケツ割れ大祭」に入らないといけないのです!怖い!!!!

 

バンセさんの展開する、僕も愛用しているジムウェアブランドTHRUSTのショーがあるので絶対に入りたい。だけど、怖い!!僕はGMPDが怖い!!!!

 

ギリギリの時間になって何とか潜入(?)に成功でき、この日のために用意した自前の六尺を締めたは良いが、GMPD兄貴たちに圧倒され最後尾で壁の花になっていました。

 

すぐにショーが始まり、相変わらず最後尾からドギマギして見ていると、友人に声をかけられました。

短い世間話のあと、僕がバンセさんの大ファンであることを伝えると、なんとふいに友人が僕の手を掴んでステージ近くへと引っ張っていったのです!

たまたま空いてた最前列に座り、目の前で憧れのバンセさんを見ることが出来ました。

初めてバンセさんが現れた時

(実在したんだ……)とまたも胸がいっぱいになりました。

 

ショーが終わり、友人に「ありがとう!おかげで最高の場所で憧れの人を見れたよ!」と伝えていたら、またも友人は僕の手を引っ張り、袖から出てきたバンセさんに声をかけて一緒に写真を撮ってくれたのです!

 

その時ほど友人が菩薩に見えた時はありません。(見た目の影響多分にあり)

 

外に出て直接自分から

「大阪から会いにきました!イラストもウェアも大好きです!」と声をかけると

「ありがとう〜シンノスケさん」

と名前を呼ばれ

 

(は???認識されてたんだが???????尊過ぎて死ぬのかな(?))

としばらく放心しました。

SNSで応援のコメントをしてて本当によかった、と思いました。

 

その時は嬉し過ぎてずっと笑顔でいたのですが、一緒に撮ってもらった画像を見返すたびに

(こんなに素敵でカッコいい人が隣にいるなんて…)

と、やはり泣きそうになってしまいます。

 

恥ずかしかったけど、勇気を出して六尺を締めて本当に良かった。

 

行きたい場所に行けて、居たい場所に居れて、会いたい人に会えた。

間違いなく、人生最高の日でした。

 

 

一人で行った東京でしたが、実は沢山の友人・知り合いの方から声をかけて頂き、寂しい思いをせずに過ごせました。

人との出会いが、友人や仲間が、こんなにも自分を幸せにしてくれているんだと、心からそう思いました。

本当にありがとう。

 

 

最後に。

僕のとった行動で僕を嫌いになる人がいてもいい。

お互い干渉せず幸せに居ましょう。

僕は東京が、ゲイナイトが大好きで、行かずにはいられなかった。

同じような人と仲良くできたら、僕は幸せ。

 

こんなことを言うのも初めてかもしれません。

少しだけ勇気が出せたかな。